ブック&ゲームガイド

 

 

◆『CHAOS;HEAD NOAH』《XBOX360、PSP、PS3、PSVITAなど多数展開》

 ニトロプラスが企画、5pbが発売のADVゲーム。ゲームジャンルは「妄想科学ADV」。かの有名な『シュタインズゲート』と同じ「科学ADVシリーズ」の第一作目である。

 あらすじは重度のオタク高校生「西條拓巳」が猟奇的連続殺人事件、通称「ニュージェネレーションの狂気」が渦巻く渋谷で、妄想を現実にする能力「ギガロマニアックス」をもつ変な語尾だったり変なキメ台詞で話す美少女達とともに巨大な陰謀に立ち向かう。そんな胸やけするような設定。

 おそらく中学二年生が授業中に妄想するような話を、SF的要素(エセも含めて)を絡めて展開していくのがこのシリーズのコンセプトなのだが、それよりも癖が強いのは「イタくて情けなくてどうしようもない主人公の性格」だ。

 主人公の西條拓巳は典型的なネット弁慶のオタク。人間不信で自己中心的で、学校に行ってもクラスメイトとまともに話すこともできない。彼の居場所はオンラインゲームだけ。そんな彼が物語が進むにつれ、えげつないほど陰湿な目にあったり、信じた人に裏切られたり、世界から存在そのものを否定されたり「そこまでしなくても……」というぐらい精神的にボコボコにされるが、それでも彼は成長しない。

 浮世離れしたカオスな展開と、人は簡単に変われないという現実のコントラストが不思議な気持ちにさせてくれるこの作品。「イタくて情けなくてどうしようない主人公」のまま、西條拓巳は最後何を思って、何を選択するのか。どん底に落とされても、世界に否定されても、自分の欲望のために泥臭く足掻く姿をみて、何かを感じることができるかもしれない。おわり。

(山中電波)

 

 

◆『明治東亰恋伽』《PSP/PSVITA》

 平成生まれのヒロインが明治時代にタイムスリップする乙女ゲームです。「現代に帰れるのは、次の赤い満月の日」と奇術師(ストーリーテラー)に言われます。明治で過ごす日々の中でヒロインは大切な人を見つけます。

 現代に帰るべきか、明治に残るべきか─彼女が出した答えは。

 明治好きがくすりと笑ってしまうような仕掛けが多くあります。恋愛要素は勿論、2軸で構成された展開はヒロインの成長とヒーローの変化を感じられます。

 明治の世界観をさくっと楽しみたい方にオススメです。          

(涼風弦音)

 

 

◆ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス《Wii》

 謎解きゲームの金字塔ともいえるゼルダの伝説シリーズの一作です。

 パッケージにもあるように、リンク(ヒーロー)は狼になり、不気味な仮面を被ったミドナと旅に出ます。ミドナの正体や影と光の世界など、謎解きだけでなく、ストーリー、アクション、キャラクター共に美しいハイファンタジーのゲームです。          

 このシリーズは男女問わず楽しめますが、ヒント要素が少ない作品でもあるので、ゲーム好きの方にオススメです。    

(涼風弦音)

 

 

◆『黒い囚人馬車』マーク・グレアム

 1876年、フィラデルフィア。合衆国独立の万博で殺人事件が発生、マクリアリー刑事は単身で捜査を開始する。

 記念万博の様子が生き生きと書かれ、実際にその場にいったかのような感覚を味わえる。途方もなく広いくせに外界と切り離され、いくつものエリアに別れた万博で犯人を追う姿は正にゲームそのもの。

 軽食の屋台に寄って体力回復したり、偶然見つけたタイプライターが手がかりになったりと、ロールプレイングゲームらしい場面も多数。ただの歴史ミステリーとは異なった視点で楽しめる。               

(暁壊)

 

 

◆『クローヴィス物語』サキ

  舌先三寸で人生をゲームのように楽しむ青年、クローヴィス。楽しいことしかしたくない、という享楽主義は見ていて爽快ですらある。不可解な出来事を皮肉で包み込み、嫌味を飛ばしながら我が道を行くクローヴィスに、気が付けは自身を同化して楽しんでいる。 切れの良い短編集なので、それこそゲームのように空き時間のストレス解消に使ってみてはどうか。

(暁壊)

 

 

◆『龍が如く』シリーズ

 「ゲームに飽いた人たちへ、そしてゲームを愛する人たちへ」というコンセプトのもと生まれた大人向けエンタテインメント作品。「堂島の龍」と呼ばれた伝説の極道、桐生一馬を中心に、裏社会を生きる熱き男たちを描いた大人気ゲームです。日本だけでなく、海外での人気も高いこの作品は、極道としての生き様を描く重厚なメインストーリーだけでなく、簡単な操作かつ派手で爽快なバトル、ギャグ要素強めなサブストーリー、不動産経営やキャバクラ経営を始めとする資金稼ぎのための副業シノギや、カジノ・賭場でのギャンブル、主人公たちがイケイケな合いの手や歌唱力を披露するカラオケなど、いくら時間があっても遊びつくせないほど様々なアドベンチャー要素が詰まっています。

 物語は、親友を庇って親殺しの罪を背負った主人公桐生一馬が服役して10年後、関東最大の極道組織東城会から消えた100億円をめぐった熾烈な跡目争いに身を投じていくところから始まります。人情や愛、裏切りなどの人間ドラマはもはやゲームの域を超え、エンディングを迎える頃には一本の映画、ワンクールドラマを見終えた時のような満足感があります。

 新宿・歌舞伎町をモデルに、極限まで細部を再現した架空の都市、欲望と暴力が渦巻く街「神室町」がシリーズを通して主な舞台となっています。そのリアルな作りの都市はシリーズが進むごとに数を増やし、『龍が如く5』ではいつもの東京神室町に加え、札幌、名古屋、大阪、博多と全国五大都市が舞台となっています。他にも、沖縄の国際通りや広島の尾道なども舞台となり、ファンの間では聖地となっています。「ドン・キホーテ」や「松屋」、「カラオケ館」「クラブセガ」など実在する店舗もプレイスポットとして利用できます。実際に夜の歓楽街を歩いているような体験をしながら、自身が喧嘩の達人になったように、街中で襲ってくる極道やチンピラたちとのバトルを楽しむことができます。拳での喧嘩だけでなく、街のいたる所にある武器を用いて様々なスタイルの喧嘩バトルを堪能できます。道路にあるパイロンや自転車や店の看板、角材、ビール瓶、何故か落ちているボーリングの玉、爆竹、やかんにコンロ、注射器など街にあるものを駆使して戦うこともできます。バトルの必殺技、ド派手な「ヒートアクション」もバトルが一層盛り上がる一つの要素です。主人公の人間離れした身体能力から繰り出されるかっこいいヒートアクションは勿論、それそう使うんだと思わず笑ってしまう面白アクションまでその数なんと数十種類以上(シリーズ作品によって異なります)。日頃のストレスに耐えかねて人を殴りたくなった時などにオススメです。

 全12作品を彩るのは、豪華な俳優陣。渡哲也、舘ひろしをはじめとした大ベテランから、小沢仁志、竹内力、中野英雄やビートたけし(敬称略)といったⅤシネ界の帝王まで、一人一人が主役級の実力派俳優が時に主人公を助け、時に苦しめ、互いの誇りをかけて激闘を繰り広げます。ゲスト俳優のビジュアルは、龍が如く名物と言われるリアルすぎるモデリング。モデルとなる俳優そっくりのキャラクターが登場することにより、ストーリーのリアリティがさらに増しています。ボス戦で戦えるゲスト俳優のキャラクターも多く、そのキャラクターによりバトルスタイルが異なっています。映画やドラマでは体験できないかっこよすぎる俳優たちとのバトルを楽しんでいただきたいです。

 現代の極道社会が舞台となっているナンバリングの龍が如くですが、スピンオフの舞台はなんと、戦国時代や幕末、そしてまさかのゾンビが大量発生している世界です。2008年発売の『龍が如く 見参!』では主人公の桐生一馬は宮本武蔵と同一人物となっています。戦国時代から江戸初期へ、剣士としての生き様を描いたストーリーの熱さは本編と変わりありません。ここでのバトルはステゴロに加え、刀での戦闘も楽しめます。そして宮本武蔵といえば、勿論二刀流。ナンバリングでは味わえないバトルスタイルを堪能できるところもスピンオフの魅力の一つです。さらに、2014年発売の『龍が如く 維新!』での桐生一馬は坂本龍馬です。しかも、その坂本龍馬が京都に潜伏している間に使っている偽名は「斎藤一」。幕末の志士として、そして新選組の隊長として生きる彼の数奇な運命は、故郷土佐で恩師を何者かに殺され、その咎人として国を追われたことから始まります。本当の犯人を捜すために潜入した先の新選組での犯人捜し、その中で心を通わせた仲間たちとの友情が描かれています。国のため、恩師のため、友のために激動の時代を駆け抜けた幕末の「龍」の生き様をぜひご覧いただきたいです。ここでは『龍が如く 見参!』でも登場した刀に加え、当時最新の武器とされていた拳銃、さらに刀と拳銃を同時に使って敵を薙ぎ払う「乱舞」と呼ばれるバトルスタイルで喧嘩を楽しめます。浅黄色の羽織をひらめかせ、京の街中で戦う主人公はかっこよさに加え、どこか美しさも感じられます。最後にスピンオフの中でも一番ぶっ飛んだ設定の『龍が如く OF THE END』。ゾンビウイルスが蔓延し、自衛隊が用意した街を隔離するための巨大な壁によって陸の孤島と化した神室町で、ゾンビと戦いながら事件の真相を突き止めていきます。ここでのバトルはまさかのガンアクション。二丁拳銃、ショットガン、ガトリングガン、対物狙撃銃とそれぞれ主人公ごとに固有武器が存在し、ゾンビが闊歩する街中を銃をぶっ放しながら探索することができます。ゾンビが出てくるなら『龍が如く OF THE END』はホラーゲーム寄りなのかと思われる方もいると思いますが、そこは「龍が如く」なのでホラー要素はほぼありません。普段殴っている人間がゾンビになっただけで主人公たちも全くビビっていません。何なら主人公のうちの一人は喜々としてゾンビ狩りに出かけたりしています。街の中に落ちているものを掴んで殴れる要素も失われてはいません。一本の内容が長いこのシリーズにしては比較的短く、さっくりと楽しめるので、極道はよくわからないけどガンアクションやゾンビは好きという方はこの作品から始めてみてはいかがでしょうか。

 そしてナンバリングタイトルで最も評価が高く、最高傑作と名高い作品は、1988年バブル絶頂期の東京と大阪を舞台とする『龍が如く0 誓いの場所』。主人公の一人はこれまでと変わらず桐生一馬。そしてもう一人の主人公は、シリーズを通して最も人気が高く、キャラクター総選挙では桐生一馬をおさえて一位に君臨した男真島吾朗です。好景気に浮かれる、陽気で楽観的な時代。欲しいものは金で何でも手に入るなか、金では手に入らないものを追い求めて戦う二人の熱い男を描いています。

 物語の序章は、神室町の真ん中のとある空き地で桐生が借金の取り立てをしているところから始まります。一坪にも満たないその空き地では、秘密裏に再開発プロジェクトが進められており、神室町そして東城会を揺るがすほどの巨大な利権があるとされています。「カラの一坪」と呼ばれるそのたった一坪の土地を巡って、関東の極道だけでなく、関西最大の組織近江連合までが苛烈な利権争いを繰り広げていきます。バブル期の空気や匂いまで漂ってくるかのようなリアルな作りの街並みは、特にバブルを体験したことがある方はより深く楽しむことができるのではないでしょうか。昭和の世界を知らない世代でも、どこか懐かしさを感じる、古き良き時代を味わうことができます。また、プレイスポットにもこの時代の特色が出ており、今は失われてしまった様々なものを体験できます。ディスコやテレクラ、ポケットサーキット。ゲームセンターでは、「アウトラン」や「スペースハリアー」、「スーパーハングオン」などの懐かしのアーケードゲームも当時のグラフィックで遊ぶことができます。

 さらに、バブル時代を舞台としたこの作品の最大の特徴とも言えるのが、主人公たちのバトルスキルを「金」で買えるところです。経験値が存在せず、敵を倒してもレベルが上がることがない代わりに、ゲーム内で稼いだ資金で主人公のステータスを強化することができます。そのために「シノギ」と呼ばれる仕事をして資金を調達し、最強の主人公を作り上げていくという、本気で金銭感覚がおかしくなるゲームシステムです。一億円すらもはした金に思える快感を味わってみてはいかがでしょうか。

 バトルスタイルは、主人公ごとに特色があり、桐生・真島共にそれぞれ三種類のスタイルが用意されています。圧倒的な腕力と俊敏性で戦う桐生と、トリッキーな動きに加えて鋭い攻撃で相手を圧倒する真島、両主人公で違った喧嘩を楽しむことができます。

 シリーズをプレイしていく順番は、勿論発売された順にやっていくのが一番ですが、0から始めても十分世界観を味わえる点も魅力の一つと言えます。本編の過去編にあたる作品で時系列としては一番最初なので、その後の龍が如くを知っている方は今後の伏線などを楽しめますし、知らない方もこれからどうなっていくのだろうとわくわくすることができます。0から龍が如くの世界に入った方も少なくないので、むしろ0から始めるのも、長年のファンとは違った楽しみ方ができて良いと思います。

 2016年には初代龍が如くのリメイク作品であり、追加エピソードも用意されている『龍が如く 極』、2017年には龍が如く2のリメイクである『龍が如く 極2』が発売されるなど、様々な展開を見せている龍が如くですが、昨年の秋についにスマホ用ソーシャルゲームとして『龍が如く ONLINE』も発表されました。龍が如く6でその伝説に幕を下ろした桐生一馬に代わって、新たに春日一番というキャラクターが主人公となり、近江連合に占拠された神室町を取り戻すストーリーが進行しています。新たなキャラクターに加え、歴代の人気キャラクターも揃い踏みなので、新規ユーザーだけでなく、既存のファンも満足できる内容となっています。ストーリーを楽しむだけでなく、他のユーザーと連合を組んでオンライン対戦をする「ドンパチ」と呼ばれるシステムも人気を博しています。その春日一番が主人公を務める、ナンバリングシリーズの続編『龍が如く7』も来年発売予定となっており、今後も龍が如くシリーズから目が離せません。

 内部抗争、東西戦争、海外組織との抗争、その中での友情、裏切り、時には切ない恋を描いた群像劇。ただの極道ゲームではない、最高のエンタテイメントが龍が如くです。この特集で一人でも多くの方が、龍が如くを手に取ってくださることを願っています。    

(錦織)

 《プラットフォーム》

『龍が如く』 (PS2)

『龍が如く2』 (PS2)

『龍が如く 見参!』 (PS3)

『龍が如く3』 (PS3、PS4)

『龍が如く4 伝説を継ぐ者』 (PS3、PS4)

『龍が如く OF THE END』 (PS3)

『龍が如く5 夢、叶えし者』 (PS3、PS4)

『龍が如く1&2 HD EDITION』 (PS3、WiiU)

『龍が如く 維新!』 (PS3、PS4)

『龍が如く0 誓いの場所』 (PS3、PS4)

『龍が如く 極』 (PS3、PS4)

『龍が如く6 命の詩』 (PS4)

『龍が如く 極2』 (PS4)

 

 

 

 

◆『ポポロクロイス物語2』《PS》

 小国ポポロクロイスの王子・ピエトロが仲間と一緒に世界を股にかけた冒険をする剣と魔法の王道ファンタジー。人、妖精、竜、神……さまざまな種族・生活圏の人々が時に喧嘩をしつつも手を取って助け合っていく話だったと記憶しています。戦闘画面とフィールドマップがシームレスなのが印象的。

 息の長いタイトルでさまざまな作品が出ているものの実はちゃんとプレイしたのは2だけ。ナルシアとカイの関係がとても好きで、実質カイとの決別となる黄金の鍵を海に捨ててしまったシーンはめちゃくちゃ切なくて泣きました。人生で2番目に全部クリアしたゲームだったけどボロボロ泣いて一週間くらい余韻を引きずったのを覚えています。

 ピエトロの息子・ピノンが主人公の3以降は詰みに陥り投げてしまったのですが(正直、気軽にお勧めできるゲームバランスではない)アニメもあるのでぜひ触れていただけると嬉しいです。陸に上がると砂になってしまう海の妖精族と、海水に触れると泡になって消えてしまう森の妖精族、二つを分ける月の掟をめぐる冒険は悲しくて優しくて切なくて毎週胸を掻き毟りながら見てました。      

(横井けい)

 

 

◆『メギド72』《スマートフォンアプリ》

ー悪魔となら、変えられる未来がある。

 ハルマ(天使)の住む世界「ハルマニア」、メギド(悪魔)の住む「メギドラル」、そしてヴィータ(人間)の住む「ヴァイガルド」。隔たれた三つの世界を巻き込んで起こる世界の終末「ハルマゲドン」を阻止するため、奔走する少年少女とその仲間たちの物語。

 今最推しのスマホゲーム。音楽が良いキャラも良いグラフィックが良いストーリーも面白いそして何よりバトルが楽しい。去年の6月に始めてヤバいくらいハマってます。日本ゲーム大賞優秀賞受賞おめでとうございます、当日受賞の報せを聞いて少し泣いた。

 主人公の少年の仲間になるのは、魂をヴァイガルドに放逐された追放メギドと呼ばれる存在。つまり、悪魔が自分の世界から処刑という形で追い出され、人間の世界に転生した異世界転生者たち。一柱ごとにバックボーンも異なり、冤罪で処刑された者、極悪人で真っ当に処刑された者、異世界に混乱をもたらす為処刑という形で送り込まれた者……と様々。彼らのメギドとしての価値観と今まで育ってきた中で培われたヴィータの価値観との間で色々思うことがあったりするんだろうなと思いながら最近のストーリーを追っています。     

(横井けい)

 

 

◆『ピポサル2001』《PS2》

 サルゲッチュの外伝的位置づけの本作は、ダイソンもびっくりの吸引力を持つ掃除機片手にピポサルのパンツを吸い集めて洗濯するのが目的のアクションゲー。ステージギミックや使える技を駆使してステージに散らばる全てのサルのパンツを集めるのだけどやたらと難易度が高かった気がしています。でもとても楽しかった。アクションがめちゃくちゃ苦手だけど試行回数とクリアチャート計算にモノを言わせた脳筋プレイで裏面まで全部クリアしました。確かサル温泉で全ステージスペクターを出すまでがんばりました。

 実は某ハンバーガーチェーン店が過去行った「ハッピーディスク」配布なるもので体験版を手に入れ手を出したクチです。ちょっとずつアイテムが違ったりステージが違ってて面白いんだよね。           

(横井けい)

 

 

◆『うたわれるもの』《PSP》

 説明不要の大作アドベンチャーゲームだと思っている。アイヌ語圏のような世界観(真相も含めて)が本当に好き。

 個人的に敵将スオンカスとカルラ様の最期のやりとりが大好き。血塗れで息も絶え絶えに彼女を呼ぶ彼に「今この時だけ、誰よりも愛してあげる」と言うカルラ様、あまりにも最高。

(横井けい)

 

 

◆『ファイナルファンタジータクティクス』《PS》

 かつて国を二分していた内乱は、ディリータという一人の若者によって終結した。無名の若者が武勲を立てて英雄となり戦争を終結させる。その国に住む誰もが知っている英雄譚だが、とある歴史学者が手にした本によれば、真に戦争を止めたものは歴史に名の残っていない名門べオルブ家の末弟だという。しかし、彼こそ神を冒涜し国に混乱をもたらした元凶だと伝えられていた。プレイヤーはこの歴史学者と共に真実を探求する旅へ出る、という体で進められるシミュレーションRPG。

 私はやってないのですが弟がドハマりしていたのを横で見ていました。だからゲーマーはみんなこのゲームを通っていると思ってるしそのうちの6割は「ムスタディオをやっつけろ♡」イベントやクラウド召喚やレーゼ編成を果たしているものだと思っているけどそうでもないのかもしれない。私がプレイした時は最序盤ドーターの町で詰みました。

 戦記もの、というか歴史書を紐解くようにゲームが進んでいくので当然ストーリーも重くガンガン死者は出るし国同士の外交問題や貧困やら差別やら宗教やらのテーマも盛り込まれていて歴史好きは多分ハマる。食うに困ってテロリストになった人が「神の前では皆平等のはず」という旨の発言をした際「家畜に神はいないッ!」と言い切った彼はあまりにも有名。でも彼の立場を考えるとなんとも言えない重苦い気持ちになるのもまた一興。メモリーカード内にクリアデータがあるとストーリーがアルバム形式で読めるのですが、それ全部読んで号泣して放心して一週間程度何も手につかなかったのは良い思い出です。今度は自分の手でやりたい。

(横井けい)

 

 

◆『テイルズオブ』シリーズ《SFC以降多岐に渡り展開》

 剣と魔法のRPG。御長寿シリーズの仲間入りしてると聞いて震えている。

 エターニアとレジェンディアがべらぼうに好き。ミニゲームのウィスを無限にやり込んだし「鳥は鳴き、僕は歌う」を聴くためだけに無駄にダンジョンをうろついたりした。シンフォニアとアビスは辛いシーンも多いけど魂に刻み込まれてしまっている。残念ながらイノセンスより先のシリーズは未履修。   

(横井けい)

 

 

◆『ワイルドアームズ Advanced3rd』《PS2》

 それはきっと、いつか『想い出』になる物語。

荒野と口笛と銃声のRPG、シリーズの三作目。

 砂漠化が進み荒野と砂の海が広がる世界・ファルガイア。ゆっくりと、しかし着実に滅びゆく世界で、人々はたくましく生きてゆく。そのなかで、自分の腕と信念を頼りに世界を放浪する冒険者は「渡り鳥」と呼ばれていた。裕福な家に育った少女・ヴァージニアは、村が襲撃された日を境に渡り鳥になった。かつて失踪した父に教わった二丁拳銃と、渡り鳥への憧れを胸に、乾いた風の吹き抜ける荒野へと飛び立っていく。

 WAシリーズは西部劇テイストの強い世界観と、グッズを使ったダンジョンの謎解きとアツくてクサいセリフ回しが肝だと思っている。戦闘も面白くて、馬に乗ってエンカウントすれば馬上戦闘になるし、飛空艇に乗れば飛空艇の、砂上艇に乗ればそれ専用のバトルが繰り広げられる。

 キャラも個性的。自分の正義とよろしくやっていく漢女(おとめ)ヴァージニアを筆頭に、物腰柔らかな考古学者の賞金稼ぎ・クライヴ、陽気でイケメンマッチョな神官魔法使い・ギャロウズ、違法な仕事もなんのその、不良トレジャーハンター・ジェットといった味方キャラの魅力もさることながら、勝ち気で自分が大好きな女傑・マヤや、利益と目的のためなら略奪や殺人も厭わないため尊敬と嫌悪を一身に集めるジェイナスなどのライバルキャラも素晴らしい。

 エンディングのほろ苦い感じも、これから先も旅が続くのだなという予感と、明るい未来を予感させる演出も全部好き。冒険に華を添えるなるけみちこ氏の楽曲も最高。無印と2も遊んだけれど、アルターコードF以降は触れてないのでいつか触りたい。「戦姫絶唱シンフォギア」は実質ナンバリングタイトル。

(横井けい)

 

 

◆『ボクと魔王』《PS2》

 どこにでもいる地味で平凡な少年・ルカは、ある日父親が拾ってきた怪しい壺に封印されていた魔王・スタンに自分の影を乗っ取られてしまう。こうしてスタンの手下にされてしまったルカは、魔王の力を取り戻すための旅に送り出される羽目になってしまうのだった。理不尽!

 人形劇のようなキャラクターたちが織りなす、全7章で構成されるRPG。最初はとてもコミカルでシュールに、軽い調子で話が進んでいくのだが、中盤から世界の仕組みや重厚な設定が顔をのぞかせてくる。中盤、戦闘も会話も何も発生しない章があって、ひたすらフィールドを彷徨うことになるのだが、その孤独感・寂寥感たるや筆舌に尽くし難い。行く先々での人々の何気ない会話、主人公の祖母の話、意味深な墓碑銘。じっくり探索すればヒントはどこにでも転がっていて、点が線になった瞬間のしてやられた感はすごい。

 エンカウントと戦闘とカメラワークの癖が強すぎてちょっと折れかけるけど納得の名作。是非全クリしてCM見て震えてください。歯車ラブ。             

(横井けい)

 

 

◆『聖剣伝説LOM』《PS》

 高校進学を機に自分で買ってプレイしたゲーム。実はそんなにやり込んでないのですが優しいタッチの世界観(そのくせ戦争とかやることはちゃっかりやってる)や、とぼけたようで本質を突きまくるキャラたちがもう好き。哲学。

 宝石泥棒編は涙なしに見られません。ピアノが弾けない主人公を引き当てるまでリセマラしました。天野シロ氏の漫画も最高なのでぜひ。

(横井けい)

 

 

◆『レイトン教授』シリーズ《DS,3DS》

 ナゾ解きRPGの名を冠するゲーム。ナゾ部分は頭の体操などで有名な多湖輝氏が監修していて、なぞかけのようなものから中三数学の知識が必要なものまで多岐に渡る。

 プラットフォームについていかれず魔笛までで止まってます。不思議な街、悪魔の箱、最後の時間旅行からなる第一部がとても好きです。

 西浦氏による楽曲も最高。ダーククロニクルなどの過去LEVEL5作品をプレイしているとニヤリと出来ること請け合い。

(横井けい)

 

 

◆『ダーククロニクル』《PS2》

 外界と遮断された街・パームブリンクス。そこで何不自由なく暮らしてきた少年・ユリスは、サーカスの夜に起きた出来事を切っ掛けに、幼い頃にいなくなってしまった母を探して街の外に出た。そこで出会ったのは世界を救う使命を負って百年後の未来からやって来た少女・モニカだった。彼女の時代ではグリフォン大帝なる人物による大規模な侵略が行われていた。というのも、大帝は過去に干渉することで歴史の改変を行い、未来の敵勢力を葬り去っているのだという。大帝の野望を食い止めるため、二人は現在と未来、二つの時代を行き来しながら世界復興の旅をすることになる。

 LEVEL5が放つRPG。当時ハマりにハマってミニゲーム全制覇などしましたがやり込んだセーブデータをうっかり上書きで消してしまい絶望したのはいい思い出。私の時間遡行系の概念はここから。

 ガンドラダ大工房の曲が好きすぎてどうしよう。豪華サウンドクリエイター陣によるアレンジCDが本当に豪華。スマブラXかな? テーマソングが好きすぎて前作ダーククラウドも手に入れクリア済みのはずなのですが記憶が薄い! とにかく雰囲気が素敵だったのを覚えている。            

(横井けい)

 

 

◆『ブレイヴフェンサー武蔵伝』《PS》

 突如行われたル・コアール帝国の侵略により危機に晒されたヤクイニック王国。王も王妃も旅行中で、残されたのはフィーレ姫と重鎮のみ。皆が帝国に捕われていく中、フィーレ姫は異世界から勇者を呼び出す秘術・英雄召喚の儀式を行うことを決意する。呼ばれたのは伝説の剣豪・武蔵! の筈だったのだがそこに現われたのはムサシを名乗る小さな子供だった! 国を救わないと元の世界に帰れないと知ったムサシは、協力を承諾し、ル・コアール帝国に立ち向かうことになる。

 死んで覚えるアクションゲーム。スチームウッドはみんなのトラウマ。しかし話が進む毎に出来ることが増えたり敵を多彩なアクションやギミックで倒したりとめちゃくちゃ楽しい。やりこみも大ボリューム。関戸剛氏の音楽が最高。個人的にふたご山が一番好きだけど、楽士を救出すると城のBGMが豪華になっていくのが本当に好き。

 攻略本には拠点にしている村の人の設定なども細かく記載されていて、のほほんとしつつも重たい背景がぶち込まれているのが好きな人にはとてもオススメできるゲームです。

(横井けい)

 

 

◆『フリーダムウォーズ』《PSVita》 

 生まれた時から懲役100万年!

 資源が枯渇した未来、パノプティコン(哲学者ベンサム考案のあれ)と呼ばれる牢獄都市に身を寄せて暮らす人々が争って生きてるよという世界観。「お前がいるだけで資源が消費されちゃうんだからせめて社会のために戦いなさいよこの〇〇し!」とやたらと可愛いお上のマスコットキャラに罵られつつ刑期の短縮を目指して今日も馬車馬のように働くアクションゲーム。

 くそげーと言われて否定できないけど私は好き。ストーリーに期待すると肩透かしを喰らう。体験版でもできる序盤の演出がかなり最高だけどここがピークだった感じはある。しかし爽快感のあるイバラアクションや、かなり仔細に設定できるキャラクリエイト、パートナーであるアクセサリのボイス調整やらやたらとやり込み要素がすごい。ハマる人はハマる。 

 後々アップデートで協力・対戦プレイができるマルチ機能が実装されてから格段に楽しくなった思い出。         

(横井けい)

 

 

◆『ゴッドイーター』シリーズ《PSP他》 

 そう遠くない未来、「オラクル細胞」という自身に触れるもの全てを捕食する細胞から生じた化け物、アラガミ。為す術なく蹂躙された人類は滅亡の瀬戸際に立たされる。人々は適正のある人間にオラクル細胞を取り込ませ、アラガミに唯一対抗できる武装「神機」とそれを操る兵士を作り出した。彼らは「ゴッドイーター」と呼ばれ、常に死と隣り合わせの生活へと駆り出されることとなる。

 無印は体験版だけしかやっていません。BURSTからの民です。世界観とストーリーとアクションが楽しかった。モンハン持ちをこれで覚えました。この頃は本体が2つあればセフルアバカができたので自ユニットをゾロゾロと引き連れて討伐に行くなどして遊んでいました。椎名豪氏の音楽もめちゃくちゃよくて……運良く初回のオケコンに参加できたのですが最高でした。ペンライト買えばよかった。一番好きなアラガミはヴィーナスです。あまりにも醜くて美しい最高の造形だと思ってます。戦ってて楽しいのはシユウ先生。ヘイシユウカモンカモン。リザレクション以降は未プレイです。

 アクション苦手だなーという方はアニメもあるので是非。世界観的にも気持ちを落として上げるのを上手く使うアニメなんですが、守るための新たな力を手に入れた主人公に「もう神には祈らない」って言わせた次の回くらいで圧倒的な蹂躙を見せつけて保護対象が目の前でバリバリされたり転がして遊ばれたり仲間もボロボロ自分も腹に穴を開けられたりして「ああ、神様……」とすごく無意識っぽく零させるのが世界観よく出てるなー無情……と思いました。

(横井けい)

 

 

◆『ICO』《PS2》

 語るまでもない名作ゲー。「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。」というキャッチはあまりに有名。言葉も通じない少女と手を繋いで城を脱出するというシンプルな構成と短いプレイ時間ながら体験に重きを置くことでクリア後の満足度はとても高い。体験することを重視しているのにコンセプトをガン無視して効率のみを追い求めたRTA動画なども出ている。けしからんもっとやれ。宮部みゆきの小説版もいいぞ!

(横井けい)

 

 

◆『テイルズ オブ ジ アビス』《PS2》

・プレイヤーには世界中で繰り広げられる盛大な師弟喧嘩を穏やかに制圧するという壮大なお節介ミッションが課せられている。

・謂わば《自分》を見つける物語。

・2巡目引き継ぎができる。

・メガネ、長髪、インテリヤクザという三拍子揃った子安がいる。

・主人公のEQが低すぎて中盤まで何ひとつ共感できないが、長いメインストーリー中で精神的に成熟していくのでだんだん涙なしには見られなくなっていく。      

(長谷潤子)

 

 

◆『Beyond: Two Souls』《PS3》

・ソロモードとデュオモードが選択でき、オフラインマルチプレイが可能。プレイヤーはヒロインのジョディと霊体のエイデンを操作する。

・たびたびエイデンのわんぱくタイムが入る。ジョディの心を傷つけた人々の家を焼いたり、首を絞めたり、あまつさえ銃殺するシーンもある。

・自分が選ばなかった、他のプレイヤーが選んだルートをチャプターごとに確認できる仕様になっており、選んだルートでストーリーが分岐する。

・セーブスロットがないのでやや不便ではあるが、1チャプターが短いのとオートセーブ機能付なので苦にはならない。

(長谷潤子)

 

 

◆『ベヨネッタ』《Xbox360/PS3》

・ババアが強いゲームは良作。プレイヤーは200年眠っていた美しい老婆ベヨネッタ(外見年齢30代の魔女)を操作し、出生の謎を解きながら天使を片っ端から殺めていくゲーム。

・2巡目引き継ぎができる。

・ベヨネッタがルカの顔に口紅でアマテラスの隈取を書いて悪戯するという大神ネタがある。

・2もある。         

(長谷潤子)

 

 

◆【大神】《PS2》

・ババアが強いゲームは良作。プレイヤーは100年眠っていた美しい犬神アマテラス(13の神業を操る白いメス犬)を操作し、各地に蔓延る呪を解きながら鬼を片っ端から殺めていくゲーム。

・やりこみ要素が多すぎる。50時間プレイしてもまだメインストーリーの4、5割程度しかない。やりこみたい人にとっては良作。

・アマテラスの使う技のひとつにベヨネッタが使う技と酷似したものがあり、公式のネタになっている。          

(長谷潤子)

 

 

◆【隻狼】《PS4》

・ババアが強いゲームは良作。ババアが強すぎてだいたいみんな赤鬼対峙時かここでゲームを売る。

・メタルギアライジングと似た「隠密して突破してもいいし、巡回する敵を片っ端からぶっとばしていってもいい」という要素が散見される。

・戦闘中に欠かせない技「シノギ」は、格闘ゲームに喩えるとブロッキングとかVリバーサルに相当する。使えると楽に戦える。

・セーラームーンの敵はセーラームーンが変身するまで待ってくれるが、本作の敵はこちらが回復薬を飲み終えるのを待ってくれない。かえってそれが《戦場》の《圧》を感じさせてくれる。「回天して死ね」と。

・副題の「shadows die twice」は直訳すると「影は二度死ぬ」で、「影」はプレイヤーキャラクターの忍者を、「二度死ぬ」は一回までなら自動で復活するゲーム上のシステムを指すと思われる。          

(長谷潤子)

 

 

◆【歪みの国のアリス】《携帯ゲーム》

・「不思議の国のアリス」を下敷きにした、悲しみと祈りを妄想で無理やり辻褄合わせにしたあらすじが魅力的。

・選択した回答によってストーリーが分岐するのでうかうかしていると「アリス」が食べられて死ぬ。

・誰もが皆アリスを食べたがっている。

・アリスの肉はこの世の何にも優る最上の食材とされている世界線で、シロウサギを追いかけることになる。

・この世界に迷い込んだ理由を知ったとき、涙なしにゲームができない。

・バッドエンドとトゥルーエンドが5種類ずつあるので、やりこみ要素はある。

(長谷潤子)